かねてより、ずっと行きたいと思っていた「とんかつ 成蔵」。「東京とんかつ会議」の殿堂入りはもちろん、ミシュランのビブグルマンにもここ3年連続で選出されている超人気店で、高田馬場界隈では知らない人はいないというくらいの行列でも有名だ。
とんかつに覚醒したおっさんとしては、機会を見つけて一度はと思ってはいたものの、一度も行けないうちに本年 3/21、突然閉店してしまった。(その後 高田馬場の店はお弟子さんが「なりくら」としてオープン)
再開が待ち望まれる中、この 7/8、南阿佐ヶ谷の住宅街に移転してリニューアルオープン。
当初は従前どおり整理券制で始めていたのだけど、住宅街とあって整理券の配布待ちの人々が付近にたむろする事態となりそれもままならず、今では完全予約制となっている。その予約もなかなか取れないのだとか。
今回、運よくキャンセル枠で予約ができたので、喜び勇んでの初訪問となった。
キャンセル枠での予約は事前にメニューの指定ができないので、予約時間の 30分前に現着し注文を決める必要がある。人気メニューが売り切れになっている可能性が高い反面、一品料理の追加注文ができるというメリットもある。
というわけで 17:25に現着。店先の女性スタッフが渡してくれたメニューを見て、ここでオーダーをするシステムになっている。
残念ながらこの店で最も有名な銘柄豚「TOKYO X(東京エックス)」の「シャ豚ブリアン」は昼の部の予約者だけで終わってしまったらしく、シャ豚ブリアンで頼めるのは「岩中SPF」か「雪室熟成豚」のみ。「岩中」は何度か食べたことがあるので、ここは「雪室熟成豚」でオーダー。
18時の予約だったのだけど、待つことも無く ものの5分ほどで入店。
新しく清潔な店内。案内されたのはカウンター席。目の前の厨房にはイケメンなご主人。他にスタッフは女性ばかり3人。一人は奥さんかな?
ちなみにこの超人気店を営むご主人は、叔父が経営する名店「御成門 燕楽(えんらく)」で修業後、2010/8に高田馬場で創業という経歴だそうだ。
テーブルには調味料が整然と並べられている。その種類は思ったよりずっと少ない。ソースと醤油にピンク塩、そしてネリカラシの4種類だけと至ってシンプルだ。
こちらが飲み物のメニュー。クラフトビールが二種類とワインやソフトドリンクなど。
私の場合、グラスで出される生ビール系だとアッという間に無くなってしまうので、一杯ずつ注いで呑める中ビンの「エビスビール 650円」がいい。
カウンターからフライヤーは見えないのだけど、ご主人の丁寧な仕事ぶりは伝わって来る。揚げにかける時間。余計な油を落としつつ、余熱を入れるために寝かせる時間。
そうしてオーダーから30分後、着席から25分後。結果的に本来の入店時間ちょうどというタイミングでご提供。
「雪室熟成豚 シャ豚ブリアンかつ(3個)180g定食 4,780円」
いかがでしょうか、このルックス。今まで食べてきた白い衣のとんかつの中でも群を抜く白さ。そのパン粉は「中屋パン粉工場」に特注したもの?で糖度の低いものを使っていると聞く。
低温で揚げているのが見た瞬間に判る色をしている。衣のパン粉がかなり粗目なのも特徴だろう。
この豚肉の色が素晴らしい。濃過ぎず薄過ぎず入ったロゼ。火の入り具合が完璧なのが見て取れる。
あ、シャ豚ブリアンというのは、いわゆるフィレ肉ね。その最上級の部位ということだそう。
いつもどおり、まずは何もつけずにひと口。絶妙な柔らかさの豚肉の食感。そして旨みがジワリ。サクサクで優しい衣は上顎の粘膜を傷つけるような心配は一切ない。
レモンが無いのは何かポリシーなのだろうか。ちょっと残念。結局残り全てを旨いウマイとピンク塩にカラシという組み合わせで食べた。
そうそう、とんかつの話に終始してしまったけど、具だくさんの豚汁も山形産だというコシヒカリのご飯も美味しかったですよ。(ご飯、豚汁、キャベツのお代わりは各180円)
最後に一番大きかったシャ豚ブリアンの断面も載せておきますね。これもまた見事だと思いませんか?
ただね。この値段なら、このとんかつ・この味は、ある意味期待値どおりなのかもしれない。逆に言うと、この値段・期待値に届くとんかつというのも凄いと思ふ。
今回はフィレ肉だった。次回はどうしてもロースかつを食べてみたい。うまく予約が取れますように・・・・。
◆とんかつ 成蔵(なりくら)
https://twitter.com/narikura_1010/
杉並区成田東4-33-9 最寄駅:南阿佐ヶ谷
11:00-14:00 17:30-20:00 [完全予約制]
2019/8/1まで木・日休 8/7日から水・日休
2010/8 高田馬場で創業 2019/7/8移転
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