神楽坂「あげづき」 南の島豚特上ロースかつ
神楽坂の行列店「あげづき」。2010年2月のオープンだというから、とんかつ界では比較的新しい店だ。
この店もまた「東京とんかつ会議」の殿堂入りであり、「食べログのとんかつ百名店」でもある。更に2018年版まではミシュランのビブグルマンにも5年連続で掲載されていたという店。
日曜日でもあり行列ができているだろうと開店時間の20分前に着いてみると、地下の店舗入口から地上までの階段にすでに 10数人の行列ができていた。でもこの程度ならと最後尾へ。
しばらくすると先日の「ひなた」同様、スタッフのお姉さんが、メニューを手渡して注文を聞いてくれる。
11:30の定刻に開店。地下の店内は奥に向かって細長く、思ったより広い。手前にテーブル席が6卓、奥にカウンターが8席。
カウンターの一番奥に案内されて着席。カウンター上の調味料は左からキャベツ用のドレッシング、とんかつソース、手前にピンク色の岩塩。
「ブレミアム・モルツ 702円(税込)」と「お新香」
お待ちの間に注文しておいたビールがすぐに到着。プハーっ! 至福の時。この店は提供までの時間が相当長いと聞いていたので、必須のアイテム。クルマでない時の贅沢ね。
ちょうど目の前が調理場になっていて、手元までは見えないものの丁寧な衣付けの作業が見て取れる。衣はかなり目の粗いパン粉とやや粗めのパン粉の二種類を混ぜて使っている様子が判る。
そうして大きな鉄製の鍋が二つ。その一つに衣付けをした豚肉を滑り込ませるわけだけど、かなりの低温らしくほとんどパチパチという音がしない。もったいないと思うくらいパン粉が浮く。
長時間この状態で揚げたあと、引き上げた準とんかつ?を隣の鍋に移すと、今度は盛大に泡とパチパチ音が上がる。
そうして、その写真を撮れないのは残念だが、衣がパリッと揚がった(と思われる)ところで、今度はすくい網と菜箸を上手に使って、脂身が付いている側だけを油の中で更に20秒ほど。
肉は脂身が付いていると、赤身の部分が揚がっても脂身までは揚がり切っていないのだそうだ。であるとすると、この低温で一度揚げしたとんかつの脂身側を、より長い時間揚げるというのは筋が通る。というか、そこまで手をかけるのも凄い。
さて先ほどのビールのあと、間もなくネリからしとお新香が出てきた。お、これは割りと早く「とんかつ」のご登場かななんて思っていると、そんなことはない。
待つのも飽きてきたよねという着席からピッタシ1時間後。行列から数えると 1時間と22分後。
「南の島豚特上ロースかつ定食 2,980円(税込)」
まさに満を持してのご登場。これだけ待てば、もう何でも旨いよね(^^;
衣は薄いキツネ色というか白に近い黄色。もちろんどこにも破綻がない。この店もまた網の上にとんかつを置くタイプ。油切れのためであることは判るけど、下に入ったキャベツを食べにくいのであんまり好きではない。
てなことはおいといて、こちらが肉の断面。全体にうすくピンク色が入っている。これぞ均一な火入れというものだろう。
例によってまずは何もつけずに肉だけの部分を一口。これもまた肉の旨みがそのまま伝わってくる。特に力をいれなくても噛みきれる柔らかさ。
南の島豚ってどこ?と思ったら島ではなく宮崎県だった。島じゃないじゃんと思ったけど、いいのです美味しければ。だいたい日本が島か。
続いて余分に時間をかけて揚げていた脂身を含む部分を食べると、脂身ストの私をして唸らせる旨さ、そして脂身特有の甘み。
以降の調味料は殆ど岩塩だけで食べた。一度だけソースを使ったけど、明らかに塩の方が旨い。
そしてシジミの赤だし味噌汁はやや強めに味噌がきいている。またお新香が素晴らしい。この二つで充分ご飯を食べてしまえるくらいだ。でもそのご飯が今ひとつ? 開店後間もなくだから炊きたてに違いないのだけど、わずかにバサッとした印象。
食べ終わって出てきたのは着席してから1時間と20分後。もっとジックリ味わえば良かったか。
ともあれ評判に違わぬ美味しい「とんかつ」なのでした・・・・。
◆本家 あげづき
新宿区神楽坂3-2 最寄駅:飯田橋
11:30-14:30 18:00-22:00
土日祝 11:30-14:30 17:30-20:30
火曜、第3水曜休 2010.3.2オープン
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