「とんかつ燕楽(えんらく)@池上」で ロースかつ定食
今日はなかなか足を伸ばすことのない土地、池上まで遠征。目指すは「とんかつ燕楽(えんらく)」。池上駅から数分の距離にある。
この店もまた早くから「東京とんかつ会議」で殿堂入りしている店であり、「ミシュランのビブグルマン」にも2015年から 5年連続で掲載されているという超有名店。
なんでも「燕楽本店@御成門」で18年も修業したのち暖簾分けされた店だそうで、やはりミシュラン掲載の有名店「成蔵@高田馬場」の兄弟子に当たるのだそう。
夜の部の早い時間に行列はないようだ。時間を読み違えて30分も前に着いてしまったが、寒空の下一人待っていると、奥さん(たぶん)が「寒いので中へどうぞ」と入れてくれた。有り難い。
店内は奥に長くカウンターが8席に4人掛けテーブル席が1卓。土足厳禁と書かれた二階にもテーブル席があるそうだ。
カウンターの一番奥に座ると、50才前後と思われるご主人が ちょうど何斤もの食パンから丁寧に耳を切り落としているところを見ることができた。残った白い部分だけを自家でパン粉に挽いているのだそうだ。
メニューや店内のこだわり書き、卓上の調味料などを眺めていると、定刻の10分前に開店。
ご主人が柔和なお顔で「ご注文をどうぞ」。ビールとロースかつ定食をお願いして、あとはお待ち。
まずは「ビール 600円」をプハーっ! そして定食に付いてくる自家製マヨネーズで作ったという「ポテトサラダ(右)」。これもこの店の名物だそうだ。
カウンターの着座位置からは ご主人の手元が見えないのが残念だが、大量に付けたパン粉で3倍近くの厚さに膨れ上がった豚肉を鍋に投入しようとするところが見えた。低温で揚げ始めるからか、パチパチという爆ぜるような音ではなく、投入した直後だけ小さくシューという音。
こだわり書きによると、揚げに使っているラードは「豚の背脂ではなく内臓を包む腸間膜から搾り出した貴重なもの」だそうだ。
ゆっくり飲んだつもりのビールも終わり、そろそろかなという頃、キャベツを切っているのであろうトントンというリズミカルな音。
衣づけはもちろん、揚げもキャベツの千切りもご主人が一人でこなしている。奥さんがポテサラや味噌汁などの担当でフロア担当は若いお姉さんが一人。
湯温を上げたのだろうか、わずかにパチパチという音が聞こえたと思ったら、ご飯と味噌汁(豚汁)がさっと出された。続いて待望のとんかつが目の前に。注文から30分後のことだ。
「ロースかつ定食 2,300円」
さぁどうよ、これぞとんかつ定食というルックスではありませんか。
薄くキツネ色に揚がった衣。あれほど大量に衣付けされていたのが揚がると薄くぴったりと肉に貼りついている。
そして、これでもかというほど細く千切りにされたキャベツ。時間をかけて切っていたのは、このためか。
肉は山形県の「平田牧場」の三元豚 [(ランドレース種+デュロック種)+バークシャー種]で、質の良い脂が乗りやすく筋繊維がきめ細かいのが特徴だそう。
薄くピンク色が全体に入った肉が美しい。火の入り加減が素晴らしいのが見た瞬間に判る。
まずはこの肉の部分を何もつけずに一口。あ、旨いっ! カリッ、サクッとした衣に続いて、柔らかく適度に噛み応えのある肉の食感。ジワリと溢れ出す肉汁がジューシーさを感じさせる。
そして二口目に脂身を含む部分を頬張ると、もう堪りません。初めのころの「太志」や先日の「ひなた」で味わった脂身の甘みが肉の旨みと一体になって押し寄せてくる感覚。脂身ストが歓喜する瞬間だろう。
書いたように細く千切りにされたキャベツに卓上のソースをかけて食べて見ると、なんと みずみずしく美味しいことか。炊き立ての信州駒ケ根産のコシヒカリと相まって、このキャベツだけでご飯をお代わりできてしまいそうだ。
残るとんかつは全て卓上のヒマラヤ産ピンク岩塩とカラシだけで頂いた。いやはや食べ終わるのがもったいない。そんな気分にさせられた とんかつだった。
具だくさんの豚汁も、さらに名物のポテサラも、お新香も文句なし。
キャベツとポテサラでご飯をある程度食べてしまったので、ご飯を半分お代わりすることにした。
そうしてご飯の一粒も、キャベツの一筋も残さず食べ終えた。
お勘定を済ませ、「美味しかった。ご馳走さまでした」と店を出ると、外は冷たい雨(^^; 駅は近い、腹と心は温かくなったので濡れて行こう。
このお店ももちろん再訪必至。遠いけどね。カツ丼やカツカレーなどの評価もとても高いので、次回訪問時はメニュー選択に迷いそうだ・・・・#。
◆とんかつ燕楽 (えんらく)
大田区池上6-1-4 最寄駅:池上
11:00-14:30 17:00-21:00
日曜・月曜休
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