中華そば 共楽@銀座
銀座勤めが長かった友人R氏に随分前から奨められていたお店「中華そば 共楽」。一時期は週に3回は食べていたというから、よほどお気に入りだったのだろう。
昭和31年創業という老舗でもあり地場の有名店でもあるのだけど、これまで縁がなく一度も食べたことがなかった。
午後3時前という中途半端な時間。ちょうど前を通ると空いている。まだ昼食をとっていないこともあって、早速入ってみることにした。
壁のメニューを見ると、ただの中華そばが 700円。このへんは銀座価格なんだろう。テナント料を考えるとまぁ仕方ない。
初めての今日は、その友人がいつも食べていたという「わんたんめん」を頼むことにした。
「わんたんめん 850円」
いかにも中華そばといった感じの醤油色に茶濁したスープには、背脂がわずかに浮いている。一口すすると、ワァうまいわぁ。昔ながらの中華そばで、たぶん豚骨と鶏ガラがメインのわずかに魚介ダシという。そう言ってしまうと、どこがどうということはない気がするのだけど、しみじみ旨いスープだと思った。
しいて言えば麺だけが妙にヤワいと感じた。これも「今時の」硬めに慣れてしまった私のせいだろう。考えてみれば、昔はこれくらいの茹で加減が当たり前だったと思うのだ。
奥の方に殆ど隠れてしまっているワンタンは、ツルンのプルン。この溶けてなくなってしまいそうな、でも溶けてしまうことはない皮の食感がたまらない。口の中でしばらく遊ばせておきたいくらいだ。その誘惑を押しやって、ワンタンに歯を立てると中から肉汁がジワリ。うーむ、文句なし。水準高いっす。
そして2枚載ったチャーシュー。これがしっかり食感があるタイプなんだけど、塩加減が絶妙で噛むほどに豚肉の旨さがちゃんと伝わってくる。わずかについている脂身がまた旨さを増している感じだ。
今時の溶けてしまうような柔らかさのバラ肉チャーシューも大好きだけど、こんな昔ながらのチャーシューも素敵だ。
かなり細め且つ短めに揃えられたメンマの塩加減と食感がまたいい。ここでは「竹の子」というらしいのだけど、麺と一緒に頬張ることも考えられている細さなのだろう。この「竹の子」をサッと炒めたら酒肴にちょうどいいだろうなぁなんて思った。
いやはや、これまで食べたことがなかったのが悔しくなるくらいの「中華そば」だった。特にどこがというわけではない。でも、何も気負わず肩肘張らず、そんな町の中華そば屋さん「共楽」。銀座でオーソドックスな中華そばが食べたいと思ったら、一度是非どうぞ。できれば大混雑の昼食時をはずしてね。
かくいう私も「ジャポネ」の誘惑に負けず、また行かなねばなるまい。
銀座って「五行」を例外とすれば、実はラーメン的には不毛の地だと思っていたのだけど、こんな昔ながらの中華そば屋さんがあるということを再発見した。
◆中華そば 共楽(きょうらく)
中央区銀座2-10-12 最寄駅:銀座一丁目
11:00-17:00 土日祝休 昭和31年創業
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コメント
BUSHさん、ども。
共楽美味しかったでしょ。
麺は昔からちょつとヤワかったので、私はいつも「ワンタン麺大・かなり固めで!」って呪文でオーダーしてました。
カウンターにあるタレとお酢をかけて食べるのが定番でした。
あ、久しぶりに食べたくなったなぁ...
投稿: REUTERS | 2010.02.04 10:53
ども、REUTERSさん。
お奨めいただいてから、一体何年経ったことでしょう。5年? それとも、ひょっとして10年?(^^;
でも、行ってみて良かった。好みでした。
常連らしき人が、あぶら抜きとか麺柔らかめ?!とか言ってましたので、細かく好みに応じてくれるみたいですね。
次回は麺硬めでイッてみたいと思います。
投稿: BUSH | 2010.02.04 21:44
火曜日に訪問しました。美味しかったのです。BUSHさんがまた銀座に行ったら、萬福にも行ってみてください。
投稿: 光右衛門 | 2010.09.15 23:58
ども、光右衛門 さん。
共楽はいいですよね。また私も食べに行かなくちゃ。満福は、行ったことがあるはず・・・なんだけど記憶にも画像にもないなぁ。きっと呑んだ後に逝ったんだと思います(^^;
銀座は新しい店がいくつかできて、課題は増えるばかりです。
投稿: BUSH | 2010.09.16 09:16