地デジ完全移行で思うこと
先日、我が家のメインテレビとおばぁちゃんの部屋のテレビを地デジ対応のものに買い換えたと書いた。そのときに感じたことを書いておこうと思う。(長くなるので興味のない人は読み飛ばしてくださいね。)
皆さん、2011年7月からこれまでのテレビ放送(アナログ)は地デジまたはBSデジタルに完全移行するってご存知ですか? もちろん知ってますよね。
では、その地デジを見るためにはどうしたらいいか知ってますか?
えーと、テレビを地デジ対応のものに買い換えてぇ・・・ここまでは殆どの人が大丈夫。でも次あたりから怪しくなる人が増え始める。
アンテナも買い換えなきゃいけないみたい。いやUHFが上がっているなら大丈夫なはずだよ。
BSのパラボラはそのまま使えるんだろうか。???。
うちはCATVだから、テレビの買い替えだけでいいって聞いた・・・いやCATV業者によって違うみたいだよ、とか。
マンションに住んでいてCATVの○▼方式で配信を受けてる場合はやっかいらしいよ、なんて。
もう一度、ほんとにご存知でした?
例えば、ウチのおばぁちゃん。CATVだから今のテレビが壊れない限り、何もしなくてもいいんだと思っていたようだ。アナログだかデジタルだか知らないけど、地上波ではなくて「ケーブル」なんだからと(^^; あるいは一人暮らしのお年寄りの中には、何をどうしていいかわからない。どころか「2011年7月から地デジ完全移行」だって、一体何を言っているのかわからない、なんてこともありそうだ。
・・・2011年7月24日朝。いつもどおり起きて「おはよう日本」を見ようとTVのスイッチを入れたのだけど、テレビからは映像どころか音声も流れてこない。呆然とするおばぁちゃん。テレビが壊れたと電気屋さんに電話するおじぃちゃん。あるいは遠方に住む息子に電話するおばぁちゃん。そんな世帯が一体どれだけ出てくるのだろう。若い人はテレビなんて見られなくてもいいと言うかも知れない。でも、ただでさえ娯楽や必要な情報から取り残されがちなお年寄りから、突然テレビを取り上げるようなことがあってはならない。
テレビを買い換えるにはお金もかかる。さらにUHFアンテナを上げなくてはならないかもしれない。更にまたお金がかかる。これからCATVに加入するのも同じだ。
生活保護世帯向けに専用チューナーの現物無償支給の案が出ているそうだ。アンテナの設置が必要な場合は補助または現物支給(設置)するとか。生活保護を受けることを潔しとせず、老朽化したアパートでわずかな年金だけを頼りに清貧に甘んじているようなお年寄り、または家庭はどうなってしまうのだろう。まぁ、地デジに限ったことではないのですけどね。
最初に地デジ完全移行ありきからスタートしてるから、こんなことになる。・・・またこんなときに大変な額の税金をバラ撒く話になる。一体ダレとダレの利権が絡んでこんな話になってしまったのだろう。
これはもう電波の有効利用とか、キレイな画像がどうとか双方向通信がどうのとかの話ではない。この国が果たしてどこまで考えて地デジ完全移行に踏み切ったのかは判らない。でも、さきほど書いたような事態になる前に、行政はもちろんのこと、地域ぐるみでの支援体制が必要なのではなかろうか。
限りある電波資源というのか周波数帯というのか知らないけれど、今あるアナログTVが自然に壊れて駆逐されるまで、アナログ放送も続けていくという選択肢があってもいいような気がする。だってアナログ停波って、利用者無視に他ならない。
お金がかかるのは変わらないけど、壊れてもいないのに買い換えさせられるのとでは痛みが明らかに違うだろう。もっと時間を掛けて軟着陸できればいいと思う。
今年も7/24には「完全移行まであと3年」とか言って、一大キャンペーンをやるのかも知れないけど、浸透しない層が必ずいることも忘れないでおきたいものだ。
地デジ画像の鮮明さキレイさを謳っていた私が言うのもヘンだとは思うけど・・・「地デジにしてくれなんて誰が言った?」
って、我々が選んだ(ことになってる)国会議員が決めたんだよなぁ。政治は国民を越えられないという。あぁ、もって瞑すべし。
なんだか珍しく社会派な私です。・・・ひとりごとということで(^^ゞ
今以上にチャンネルなんて要らない。
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コメント
こちらのCATVでもアナログでは見ることができていた東京キー局の放送が6月末からやっと地デジでも見ることができるようになりました
ただしTV東京以外は期限付きでそのうち見ることができなくなります
従来あったサービスが利用できなくなるのは、なんだかなぁ、です
投稿: PROTO | 2008.07.15 02:16
ども、PROTOさん。
区域外再送信の問題ですね。信州は大臣裁定にせず決着させたとか。
これも難しい問題。もし電波が全てBSに切り替わったとしたら、事実上東京キー局の番組をCATVと同じように再送信しているだけの地方局は殆ど生き残れないことになる。
だから全てをBSにしないのかもしれませんね。ここにも利用者不在の構図が透けて見えるようです。
私がそちらにいた頃は民放は3局になったばかりでした。CATVなんて無かったし、結構見られない番組が多くて不自由したのを覚えています。
投稿: BUSH | 2008.07.15 08:13