来年受験の次女のために、家内といくつかの都立高校を見て回ろうということになった。もちろん、次女の希望どおりに相手が入れてくれるかどうかは別にして、の話ではある。まぁ、それなら強気で西・富士あたりを廻ればいいのだけど、それはいくらなんでも高望み過ぎるのだそうだ(^^;
というわけで西武新宿線沿いに学区内の高校をいくつか、遠くから順に廻ることにした。「石神井高校」 「井草高校」 「桃耳高校※」、そして南に下って杉並高校の順。都立高って、サッと外見をみただけでは特徴とか個性みたいなものは当然伝わっては来ない。校舎も校庭も体育館も全て画一的だから、余計そう感じてしまうのだろう。
かつては花壇に囲まれた芝生の中庭があって、そこで生徒達がお弁当を広げたり、談笑したり、思い思いに時を過ごしている、なんていう風景のある学校もあったのだけど、そんな中庭も今はなく、代わって鉄筋の立派な校舎がそびえていたりする。
というようなことを考えながらの学園祭巡りで、次女の進学候補先としての視点は殆ど無かったような気がするなぁ(^^ゞ
そんな没個性的な見てくれはおいといて、最後に行った杉並高校で観たというか聴いたブラバンの演奏が凄かった。上の絵がそれね。ろくな音響効果も期待できない体育館での演奏なのだけど、圧倒されてしまった。大変な量の練習と努力に裏打ちされた一人一人の技量の高さ、更に演奏者・指揮者だけではなく、支えてくれた家族や先輩、友人達みんなの思い、それら全てがシンクロして織りなすのだろう、見事なハーモニーだった。とても高校レベルとは思えない。聞けば全国大会出場の常連校で、部員数も150人を超えるという有名な吹奏楽部なのだそうだ。
空調もなく締め切った体育館は、沢山の立ち見が出るほど詰めかけた聴衆と部員達の熱気とで、さながら蒸し風呂のよう。でも誰も席を立つ人はなく最後まで聞き惚れていましたよ。観客も一緒になって手拍子をしたり実に感動的な演奏でした。
大会とは別に、年に二度ほど杉並公会堂などで定期演奏会を開いているのだそうだ。もちろん高校生だからお金を取るわけにも行かず、無料。ちゃんとしたホールで是非聴いてみたいものだと思った。
たぶん文化部系の三年生は、この秋の文化祭を最後に引退するのだろう。そう思うと、ちょっとウルウルしながら聴き入ってしまった。高校時代っていいなぁ。この学園祭巡りで今更ながらにそう感じたのでした。
今、高校生活まっただ中の長女と、これからそんな時代を迎えようとしている次女が羨ましくてならない。
※「都立桃耳高校・神様おねがい!篇」群ようこ(新潮文庫)
著者は私と同じ高校の二つ上の先輩。この本はその頃の高校生活がモチーフになって書かれたエッセイというか私小説です。
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